研究・業績

海外研修

平成23年3月7日~3月13日 宮崎英士教授・阿部航准教授(オランダ国Radbaud大学医学部)

平成23年3月7日から13日にかけて欧州におけるプライマリー・ケアを体験する目的で、オランダ国Radbaud大学医学部Ben Bottema教授を訪ねました。教授は6年前に日本家庭医療学会総会で御講演いただいた縁で、今回私たちの視察を快く引き受けていただきました。

初日は前世界家庭医療学会理事長のVanWeel先生方とお会いして、オランダでのプライマリー・ケアの歴史的経緯を伺うことができました。1950年代から徐々にGPという専門分野を確率し、いまでは内科・整形外科・小児科など多岐にわたるガイドラインを独自に策定していることを伺いました。2日目は研修医の教育・指導方法について、実際に参加しながら学ぶことができました。大学では小グループに分かれてのワークショップ形式で、現場では指導医とのマンツーマンによる教育をみることができました。いずれも病歴と身体診察に重きをおいたものでした。3日目は実際に都市部と田園地帯の2通りのクリニックを見学させてもらいましたが、特別な医療機器を必要とせずとも、住民の健康問題の約9割を解決しているとのクリニック所長の言葉には、GPのエキスパートであるという自負が感じられました。私自身日頃から病歴と身体診察が重要と学生に教えてきましたが、ここではさらに患者が環境から受ける影響についても考慮する、Bio-Psycho-Socialモデルの重要性について、強く語られていたことが印象的でした。
今回の研修を通じて、患者に対して総合的医療を行える医師育成の必要性、実践的な教育方法の重要性について理解しました。また今後の課題として大分の地域ニーズにあった医師育成キャリアパスの確立を図る必要性を痛感しました。

学会・講演・講義・研究会・懇話会

地域医療学センターの医師による過去の学会・講演・講義・研究会・懇話会一覧

・上田貴威「大分大学における地域医療従事者の育成とキャリア形成の両立への取り組み」
第5回九州地域医療研究会(2015年4月・熊本)
・上田貴威「大分県の外科医師アンケート調査からみたモンスターペイシェントと医療訴訟の現状」

第115回日本外科学会定期学術集会(2015年4月・名古屋)
・上田貴威「教育者としての外科医の自覚 ~大分県外科医アンケート調査より~」

第76回日本臨床外科学会総会(2014年11月・郡山)
・上田貴威「大分県の外科におけるモンスターペイシェントと医療訴訟の実態」第12回日本消化器外科学会大会(2014年10月・神戸)
・上田貴威「がんの疫学」 「がんをよく知ってがんと共に生きる」教育セミナー(2014年9月21日・ホルトホール大分)
・上田貴威「医学生と外科医の『外科医師に対するイメージ』の相違」 第39回日本外科系連合学会学術集会(2014年6月・東京) 
・上田貴威「地域の外科医療を支える外科志望医学生の増加をめざして~医学生の考える外科医像とその意識改革~」 
第114回日本外科学会定期学術集会(2014年4月・京都)
・上田貴威「大分県の外科におけるモンスターペイシェントの実態」
第75回日本臨床外科学会総会(2013年11月・名古屋)
・上田貴威「救急隊員からみた大分県の救急患者搬送の現状と問題点」
-大分県下消防署救急隊員へのアンケート調査よりー
第41回日本救急医学会総会(2013年10月・東京)
・上田貴威「医学生が望む医学教育システムとは」
-大分大学医学部 医学生アンケート調査よりー 第45回日本医学教育学大会(2013年7月・千葉)
・石井稔浩「国民健康保険レセプトデータを用いた気管支喘息診療における大分県内での地域間格差と診療実態調査」
第33回大分地域医療研究会(2013年2月・大分市)
・上田貴威「国民健康保険レセプトからみた大分県におけるヘルニアおよび虫垂炎に対する内視鏡外科手術の検討」
第25回日本内視鏡外科学会総会(2012年12月・横浜)
・上田貴威「医学生の『外科医師に対するイメージ』:大分県勤務外科医師との相違」
第74回日本臨床外科学会総会(2012年11月・東京)
・阿部 航「地域医療実習による医学生の意識の変化」 日本医学教育学会(2012年7月・横浜市)
・上田貴威「国民健康保険レセプトからみた消化器外科良性疾患の手術に対する大分県内の病院間格差の検討」
第67回日本消化器外科学会総会(2012年7月・富山)
・宮崎英士「大分の医療の現状とジェネラリスト」 ざっくばらん家庭医療勉強会(2012年6月9日・大分市)
・宮崎英士「卒前医学教育における地域医療実習の位置づけ」 長崎地域医療フォーラム(2012年5月18日・長崎市)
・上田貴威「大分県外科勤務医師アンケート調査結果からみる外科医師のやりがい」
第112回日本外科学会定期学術集会(2012年4月・幕張メッセ)
・宮崎英士「肺がんと喫煙に関する最新の話題」 由布市がん予防市民講演会(2012年3月22日・由布市)
・宮崎英士「私が医師を辞めるとき・・・」 キャリア教育講習会(2012年3月8日・由布市)
・上田貴威「大分県地域の外科医療の活性化を目指して~外科医に対するイメージ調査より~」
第2回豊の国地域医療懇話会(2012年3月・ソレイユ)
・宮崎英士「吸入療法におけるアドヒアランスの問題」 豊後大野市薬剤師会学術講演会(2012年2月23日・豊後大野市)
・宮崎英士 教育講演「地域医療教育の目指すもの~大分大学の取り組み」 日本プライマリ・ケア連合学会 
第7回九州支部総会・講習会(2012年2月12日・大分市)
・宮崎英士「地域医療向上への大分大学の取り組み」 市民公開講座in竹田(2011年11月12日・竹田市)
・宮崎英士・阿部航「サルコイドーシスと上手に付き合うために」 サルコイドーシス患者相談会(2011年10月25日)
・宮崎英士「気管支喘息の治療戦略」 喘息治療研究会(2011年10月13日・国東市)
・宮崎英士「大分大学における地域医療教育」 第1回豊の国地域医療懇話会(2011年9月30日・大分市)
・宮崎英士「COPDの病態と治療」 ノバルティスファーマ社内勉強会(2011年9月2日・大分市)
・宮崎英士「大学で学ぶ地域医療」 第2回地域医療を理解するセミナー(2011年8月16日・大分市)
・宮崎英士「COPDの増悪抑制に関する臨床試験」 大分COPD研究会(2011年8月4日・大分市)
・宮崎英士「喘息のより良いコントロールを目指して~最新の治療と予防」
第24回喘息市民公開講座(2011年7月・大分東洋ホテル)
・宮崎英士「COPDの最新の情報と地域医療」 第12回県南地域医療研究会(2011年7月・大分リーガルホテル)
・野口剛「消化器症状」 大分県立病院緩和ケア研修会(2011年6月・大分県立病院)
・白石憲男「地域医療(外科分野)について思うこと」 第55回大分刀圭会(2011年6月・大分東洋ホテル)
・白石憲男「告知や治療の選択とどう向き合っていったらよいの?」
第9回大分大学がんプロフェッショナル 養成プラン教育セミナー(2011年5月・大分文化会館)
・宮崎英士・阿部航「大分大学医学部地域医療学センターについて」
第1回九州地域医療研究会(2011年4月・鹿児島県医師会館)
・矢田一宏 他「当科における膵神経内分泌腫瘍の検討~2010年WHO分類改訂に伴って」
第59回大分膵胆道疾患研究会(2011年3月・大分県医師会館)
・矢田一宏 他「高大連携「地域医療を理解するセミナー」の経験」
第31回大分県地域医療研究会(2011年2月・別府ビーコンプラザ)
・宮崎英士「日常臨床における喘息診療」 中津喘息診療セミナー(2011年1月・グランプラザ中津)
・野口剛「食道癌治療の現状、集学的治療の実際」 大分郡市医師学学術講演会(2011年1月・稙田公民館)
・宮崎英士「地域医療を担う医師の育成~大学の役割」 別府市医師会メディカルセミナー(2010年11月・別府市医師会館)
・宮崎英士「喘息治療UP TO DATE」 竹田医師会学術講演会(2010年11月・ホテル岩城屋)
 ・宮崎英士「COPDの概要・治療について」 ディスカバリーCOPDセミナー「WIND WORKSHOP」(2010年10月・大分東洋ホテル)
・阿部航「大学が考える地域医療と医学教育の接点」
第1回大分大学福祉化学研究センター講演会―地域医療を考えるシンポジウム (2010年10月・別府ビーコンプラザ)
・宮崎英士「大分県の地域医療の現状と地域医療学センターの役割」
平成22年度大分大学医学部第三内科後援会・同門会総会(2010年9月・大分東洋ホテル)
・野口剛「緩和医療、癌性疼痛管理」 大分県看護協会講義(2010年9月・看護協会)
・宮崎英士「地域医療学センターの概要と活動方針」 第18回高血圧セミナー(2010年9月・ホテル金水苑)
・宮崎英士「医師とは…専門医、家庭医、そして医学研究者」
第1回地域医療を理解するセミナー(2010年8月・大分大学医学部臨床大講義室)
・宮崎英士「気管支喘息における問題点・落とし穴」 豊後大野市医師会学術講演会「木曜会」(2010年7月・豊後大野市医師会立介護老人保健施設「豊西苑」)
・野口剛「消化管がんの診断、治療、予防まで」 放送大学講義「大分地域」(2010年7月・大分学習センター)
・白石憲男「地域医療について―地域医療学センター(外科分野)の役割―」 臼杵医師会・津久見医師会セミナー(2010年7月・つくみかん)
 ・宮崎英士「喘息診療の落とし穴」 第70回三有会(2010年7月・大分全日空ホテルオアシスタワー)
・白石憲男「地域医療学センター(外科分野)の役割」 第54回大分刀圭会(2010年6月・大分東洋ホテル)
 ・宮崎英士「喘息とCOPDに関する最近の話題」 第1回イブニングセミナー(別府医療センター)(2010年5月・大分コンパルホール)
・白石憲男「癌に対する最近の手術療法―胃癌を中心に―」 がんプロフェッショナル養成プラン教育セミナー(2010年5月・大分コンパルホール)
・宮崎英士「慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する最近の話題」
第327回日田市医師会学術講演会(2010年4月・亀山亭ホテル)
・白石憲男 他「内視鏡外科から学んだもの」 第197回大分県外科医会(2010年3月・国立別府医療センター)
・野口剛「一般病院でできる緩和医療」 県南薬剤師会定例会(2010年2月・長門記念病院)

論文・総説

地域医療学センターの医師による過去の論文・総説一覧

・上田貴威、圓福真一朗、猪股雅史、白石憲男
噴門側胃切除術後再建 長い細径胃管を用いた腹腔鏡下再建法
(臨床外科 第70巻・5号 2015年5月掲載)
・上田貴威
質疑応答「癒着性腸閉塞の保存的治療と外科治療」
(週刊 日本医事新報 4712号 2014年8月掲載)
・上田貴威、白石憲男
手術記録の書き方「腹腔鏡下幽門側胃切除術」
(消化器外科 臨時増刊号 第37巻・5号 2014年4月掲載)
・上田貴威、野口剛、内田雄三、北野正剛、白石憲男
アンケート調査による外科医に対するイメージ -外科医と医学生の相違-
(日臨外会誌 第75巻・第4号 2014年4月掲載)
・上田貴威、石井稔浩、加島尋、阿部航、野口剛、宮崎英士、白石憲男、大橋京一
大分県の病診連携に関するクリニックの意識調査 -大分県における医療圏別の検討
(日医雑誌第142巻・第7号 2013年10月掲載)

・野口剛、上田貴威、矢田一宏、内田雄三、北野正剛、白石憲男
外科勤務医が「外科医増員を必要と感じる」要因について
(日本臨床外科学会雑誌第74巻1号 2013年1月掲載)

・上田貴威、白石憲男
エキスパートの治療法「胃癌術後腹膜播種再発による直腸狭窄症例」
(胃がんperspective 5巻4号 2012年12月掲載)

・上田貴威、野口剛、石井稔浩、加島尋、阿部航、宮崎英士、白石憲男、大橋京一
大分県における地域中核病院との病診連携に関するクリニックへの意識調査
(月刊地域医学2012年第26巻第11号掲載)

・上田貴威、矢田一宏、野口剛、北野正剛、白石憲男
大分県地域の救急患者搬送に関する検討
(救急医学2012年10月号掲載)

・矢田一宏、上田貴威、野口剛、加島尋、阿部航、宮崎英士、白石憲男、野口隆之
医学部学生の地域枠入学制度に関する意識調査
(月刊地域医学2012年第26巻第6号(2012年6月掲載))

・上田貴威、矢田一宏、野口剛、内田雄三、北野正剛、白石憲男
外科勤務医の「仕事が楽しいと感じない」因子―大分県外科勤務医に関するアンケート解析結果から―
(外科2012年第74巻第4号(2012年4月掲載))

・矢田一宏、阿部航、加島尋、野口剛、宮崎英士、白石憲男、野口隆之
高大連携「ふるさと医療人材育成事業:地域医療を理解するセミナー」の経験とその評価
(医学教育2011年第42巻第4号(2011年8月掲載))

・Honda K, Okada F, Ando Y, Mori H, Umeki K, Ishii H, Kadota J, Ando M, Miyazaki E, Kumamoto T.
Comparison of pulmonary thin section CT findings and serum KL-6 levels in patients with
sarcoidosis.
British Journal of Radiology 2011: 84; 229-235

・Ono E, Taniguchi M, Higashi N, Mita H, Yamaguchi H, Tatsuno S, Fukutomi Y, Tanimoto H, Sekiya K,
Oshikata C, Tsuburai T, Tsurikisawa N, Otomo M, Maeda Y, Hasegawa M, Miyazaki E, Kumamoto T,
Akiyama K.
Increase in salivary cysteinyl-leukotriene concentration in patients with aspirin-intolerant asthma.
Allergology International 2011: 60; 37-43

・Taniguchi H, Kondoh Y, Ebina M, Azuma A, Ogura T, Taguchi Y, Suga M, Takahashi H, Nakata K,
Sato A, Sugiyama Y, Kudoh S, Nukiwa T; Pirfenidone Clinical Study Group in Japan.
The clinical significance of 5% change in vital capacity in patients with idiopathic pulmonary fibrosis:
extended analysis of the pirfenidone trial.
Respiratory Research 2011: 12; 93

・Azuma A, Taguchi Y, Ogura T, Ebina M, Taniguchi H, Kondoh Y, Suga M, Takahashi H, Nakata K,
Sato A, Kudoh S, Nukiwa T; Pirfenidone Clinical Study Group in Japan.
Exploratory analysis of a phase III trial of pirfenidone identifies a subpopulation of patients with
idiopathic pulmonary fibrosis as benefiting from treatment.
Respiratory Research 2011: 12; 

その他

1. 宮崎英士教授.「教授に就任して」.かけはし41号
2. 白石憲男教授. 「教授に就任して」. かけはし 41号
3. 高大連携「地域医療を理解するセミナー」報告書
4. 矢田一宏助教. 「地域医療を理解するセミナー」を開催して . かけはし第43号
5. 阿部 航准教授.「大分県地域医療研修会に参加して」 かけはし第43号
6. 「地域医療を考えるシンポジウム」報告書
7. 「地域枠学生の意識調査」アンケート調査報告書
8. 「大分県 地域の救急患者搬送に関する検討」調査報告書
9. 「大分県 外科勤務医師の現状」調査報告書
10. 宮崎英士教授.「地域医療学センター(内科分野)」玉樹会
11. 白石憲男教授. 地域医療学センター(外科分野). 玉樹会
12. 地域医療学センター季刊誌 「ふれあい」発行
【公式】大分大学医学部付属地域医療学センター