大分大学医学部地域医療学センター長就任のご挨拶

大分大学医学部附属地域医療学センター長
大分大学医学部長 猪股 雅史

2023年4月1日をもって、前大分大学医学部長 杉尾賢二先生の後任として、大分大学医学部附属地域医療学センター長に就任致しました。

大分県においては、大分・別府を除く地域で医師の不足や偏在、診療科の偏在が大きな問題となっています。このような状況の中で、大分大学医学部の使命は、地域の特性やニーズを深く理解し、大分県内で働く優れた医療人を育成し、その適切な配置と人材供給を行うことです。地域の医療機関との連携を重視し、地域医療の魅力と使命感を理解し、地域医療に従事する医師を育成するためのカリキュラムやプログラムが構築され、地域医療の発展に取り組んでいます。

大分県地域医療学センターは、2010年に設立され、地域医療の充実と地域医療人材の育成を目指して、さまざまな活動を行っています。これまで様々な施策に取り組んできましたが、中でも最も評価されている制度の1つとして、「地域枠制度」があります。大分県では、2012年に初めて「地域枠医学生・一期生」が卒業し、多くの地域枠出身の医師が大分県内の地域中核病院で活躍しています。他県でも同様の制度が実施されていますが、大分県の離脱率は低く、大学からの医師派遣の適正化が進んでいると感じています。医学部生には早い段階で地域の現状を多角的に学習できるよう、診療所での実習「シャドウイング(3年次)」や提携病院での「地域医療実習(5年次)」など、早期に地域の現状を多角的に学習することができ、ひいては地域医療従事へつながるようなカリキュラムを展開しております。また、2021年度の入試からは「地元出身者枠」を導入しました。これらの医学生が卒業後、大分県の地域医療の現場で活躍してくれることを確信しています。

その他、新型コロナ感染症の状況を見極めつつ、地元高校生への地域医療魅力発見セミナー、大分県下の研修医の情報交換会、大分県外の研修医への県内研修病院の紹介活動などを進めていきたいと思います。当センターでは、時代と地域のニーズにあった地域医療体制の構築を目指し、人材育成と人材配置に、さらに尽力したいと考えています。今後、更なる努力を重ねてまいりますので、一層のご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【公式】大分大学医学部付属地域医療学センター